令和5年4月1日
テーマ ものづくり企業における5Mと社員教育について
- 5Mとは:
ものづくり企業においては、生産する物が何であっても5Mが関係しています。ここで挙げました5Mとは、次の5つの単語の頭文字にMが入ることによります。
すなわち、Men(人)・Materials(材料)・Machines(機械)・Method(方法)・Measurement(計測)が一般的には挙げられています。 - 5Mの内容:
各5Mが関係する内容の一部を、以下に記載いたします。
これらの各Mを実施するのは「人」であり、「人」への教育が企業にとって最も大切な事となりますので、Men(人)を最後に記載いたしました。
1) Materials(材料):原材料の規格、部品規格、受入検査標準、在庫管理標準、納入業者の選定・管理
2) Machines(機械):設備の設計、選定と設置、設備使用管理標準、工程・機械能力研究、設備管理方式、設備交換基準作成
3) Method(方法):標準化(作業標準・技術標準・設計標準・職務規定など)、特性要因図、
統計的手法
4) Measurement(計測):測定機器、分析機器、誤差論、計測機器の管理、分析方法の選定、計測データの信頼性向上
5) Men(人):教育・訓練とその方法、教育と人事配置の長期計画、組織の維持管理、人の評価と性格への配慮、人の能力を発揮させる人事
これらのMに関する事項は、一般的には「品質管理」への対応として考えられています。
それは、これらのMに変化があれば、問題発生の要因(例・不良の発生の要因)となることによります。しかし、企業においては「品質管理」だけでなく、「ものづくり」の各所で、この5M+αの対
応が必要であります。社員としては、いずれの部署でもこれらの知識が必要でありますので、社員教育では新入社員教育だけでなく、これらの事項を定期的に学ばなければなりません。
そのためには、中小企業においては社内でのOJTだけに頼るのではなく、社外からのOFF-JTも当然考えて、教育しなければなりません。
これらを学ぶことによって、「ものづくり」の目標である「品質の向上」、「コスト低減」、「不良低減」、「経費節減」、「受注増」などに、つながることになると考えます。
- 上記の5Mのほかに挙げられるMには、次のようなMがあります。
Money(金)・Mold(金型)・Management(管理)・Manual(方法)・Maintenance(整備)など。そして、これらのいずれかのMを5Mに加えて、6Mにしたり、最近の環境問題へ配
慮して5M+E(Environment(環境))を加えて対応している企業もあります。
4. 5M教育の事例
新入社員(中途入社社員を含む)への教育
① 自社での生産している製品は、何か。
② その原材料は何か。Materials(材料)
③ それを作る装置はどのようなものか。Machines(機械)
④ その生産は、どのような工程で作られるのか。Method(方法)
⑤ 完成した製品の検査項目及びその装置は何か。Measurement(計測)
これらの2)~5)の4Mの概要を学んで、現場に配属され、それぞれの現場でのMの内容を更に学ぶことによって、数年もすればベテラン社員となり、企業で役に立つMen(人)になり、OJTの先生にもなるのです。
(理事 月山愛二郎)
コラム
「日韓が正常化に向かうね。」「そうだね。先月韓国のユン大統領が来日して岸田首相と会談し、「元徴用工」訴訟問題などで悪化した日韓関係を正常化し、更に発展させることで一致したね」「今後どうなるのだろう?」「首脳が相互に訪問する「シャトル外交」の再会でも合意したよ。民主主義を共有する隣国として普通の関係の一歩を踏み出したといったところだろう」「随分急な話だね」「北朝鮮問題、中国問題、ロシアのウクライナ侵攻等が関係しているよ」「そうかあ」「日本は現実的な国防問題の観点からも韓国と連携すべきだよ」「成程!」
(広報分科会員 金子一郎)
寸鉄:山また山:私も80何年人生やってきてみて、経験したことは何かといえば、いろいろな障害があったが、それに背を向けて逃げずに前向きに闘って解決していけば、必ず一つの進歩があるということです。ナポレオンは、イタリー遠征のとき、アルプスを越えていった。一つの山を越しても、次にまた山が出て来る。ナポレオン曰く、「アルプス・アポン・アルプス」我々も80何年、いくら頑張ったって毎日毎日問題は出て来る。その都度解決しなければならない。
:「土光敏夫信念の言葉」より