PHA短信(第65号) 

PHA短信

令和5年1月1日 
皆様、新年明けましたおめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

テーマ ムダを利益に変えるマテリアルフローコスト会計

 原油価格・物価高騰が続く現在の経済環境においては、自社の業務プロセスや生産工程の中で生まれる廃棄物を削減することが、有効な対策の一つになります。
廃棄物を作るための材料費、エネルギーコスト、人件費などを削減できるからです。

工場には意外とロスが隠れているものです。
端材や切子などの材料のロス、エアー漏れや、空調・設備などのエネルギーロス、ムダな作業や設備稼働による人件費や設備費などのシステムロスなどがあります。
それらは製造原価に上乗せされているので、十分認識できていないのが実情ではないでしょか。

マテリアルフローコスト会計(MFCA)を使うと、このロスを見える化することができます。
通常の原価計算では、ロスも含めて原価を算出しますが、MFCAでは、出来上がる製品を「正の製品」、廃棄物を「負の製品」に分けて、それぞれの原価を算出します。具体的には、各工程から排出される廃棄物を物量(重量あるいは体積)で把握し、材料ロス(主材料、副材料、補助材料等)、エネルギーロス(電気代、燃料代等)、システムロス(人件費、減価償却費などの間接経費)を金額換算して、見える化します。

 見える化されたデータを基に、負の製品コストが現われている工程と、そのロスの種類、要因、ロスの大きさを整理します。改善ラフ検討により、テーマを抽出し、改善目標を設定します。
改善方法と可能性の検討しながら、効果予測を行い、改善を実施することになります。
MFCAを利用すると、問題に気づくとともに、金額換算されることで問題解決への意欲が沸き、改善の投資判断もできるようになります。
(登録会員 高野 淨)

 コラム

「昨年は、世界的に色々なことがあったね。」「そうだね。ロシアのウクライナ侵略、世界コロナ感染6億人、中国のゼロコロナ政策中止に伴う国内の混乱、韓国雑踏事故158人死亡等マイナスの出来事が多かったね」「良いことはなかったの?」「カタールでのサッカーW杯開催はその最右翼だろう。日本も健闘したし、アルゼンチンが優勝したのは、印象的だったね」「今年はどんな年になるのだろう」「世界的には、ロシアが撤退して欲しいが、難しいだろうな。国内的には、岸田政権が目覚めて、国防とエネルギーそれと各種の根本的な経済対策に取り組んで欲しいよ」「予想でなく願望だね」「そうだね」  
(広報分科会員 金子一郎)

寸鉄:照る日曇る日:人生は、照る日もあれば曇る日もある。幸運が巡っているときはもちろ
   んのこと、災難に遭ったときにも、修行だと思い、自分が生かされていることに「あり
がとう」と感謝することが、心を清らかにし、運命をよい方向へ導く。
:「稲盛和夫一日一言」より